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自律神経の乱れとストレスと漢方薬

最近「集中力がない」「疲れやすい」「気力が湧かない」「イライラする」「落ち込みやすい」などと感じている人、ストレスを感じているカラダや心からのサインかもしれませんので、是非受け止めてあげてください。ストレスとストレスに対しての対処法と漢方薬について、お伝えしていきます。

社会や家庭との間で感じる女性のストレス

「長時間働くことが生産性を上げる」という高度経済成長期の名残から「職場にいることが美徳」というような環境が未だに残っています。また「こうあるべき女性」の姿を家庭や社会から押し付けられているうちに自分の本来望むことが何だか分からなくなり、自分らしく生きられない、うまく言語化できずにストレスを抱えてしまっている女性も多くいます。

女性ホルモンの変化がストレスの原因になる

女性にはホルモンバランスの変化があります。毎月来る生理の度、あるいは、閉経が近づくにつれて、つい怒りっぽくなる、批判的になる、落ち込むなどの自分の意志ではどうにもならない精神状態に陥ってしまったり、疲れやだるさ、肩こり、頭痛、などの肉体的不調からストレスを感じたりする女性もいます。

ストレスとは一体なんなのでしょうか?

人間はストレスを受けた時に、自分の体を維持するようホメオスタシス(恒常性)が働きます。ホメオスタシスは自律神経系、ホルモンなどの内分泌系、免疫系が担っていますが、ホメオスタシスを維持することができないほどの外的要因のことをストレスと言います。

仕事や人間関係、ホルモンバランスだけでなく、気温差や気圧差などがストレスの原因となることもあります。

ストレスを受けた時の心身の反応は、どのように現れるのでしょうか。

怒りっぽくなる、批判的になる、愚痴が多くなる、ふさぎ込む、寝つきが悪くなる、途中何度も目が覚めてしまうなどの反応として現れます。

ストレスを受けた時に、ストレスを処理しようと臨戦態勢に入ります。我慢を続けた後に「怒り」として現れるようになります。これは自分の欲求が受け入れられなかった悲しいという感情が「一次反応」としてあり、怒りは要求が通らないという悲しみの「二次反応」として現れます。イライラするような状況が続くと怒りっぽくなる、批判的になる、愚痴が多くなる、ふさぎ込む、寝つきが悪くなるなどの精神症状として現れます。これらの症状は、我慢することによって更に悪化しますが、「あるべき」姿へのとらわれから、要求が通らない状況を自ら作り出していることもあります。日々の中で、自分を満たしてあげるということがとても大切になります。

ストレスを受けた時の体の反応 

肉体的にはこのような症状が見られるようになります。

✔️風邪を引きやすい

✔️肩こり・頭痛がする

✔️歯ぎしりする

✔️食欲がなくなる

✔️生理痛

✔️生理不順

✔️生理前のイライラや落ち込みなどのPMSの症状がひどくなる

などです。「風邪を引きやすい」など一見ストレスとは関係ないところに症状が現れるため、ストレスによって疲れやすくなっていないかなど、自分の体を総合的に観察して捉えておくことが大切です。

漢方とストレス

薬膳では「肝」は血を蓄え、気血のめぐりを調整しているところです。自律神経を担う「肝」は、五臓のうち最もストレスに弱い場所です。ストレスを受けることで、肝の機能が失調し、気のめぐりが悪くなります。このような状態を薬膳では「気滞(きたい)」と言います。

「気滞」の特徴

張る/悶々とする/痛む

気滞は肝の経絡に沿った「張る」痛みを特徴とします。こめかみが張る、お腹が張ってガスがたまる、生理前に胸が張る、などの症状が見られるようになります。また胸が悶々とする、息が詰まる、ものがつかえる、呼吸が浅くなる、ため息をつくなどの症状を訴える人もいます。そして、更に気がめぐらなくなると同時に血の巡りが悪くなることから、肩こり・頭痛・生理痛・ストレス時に手足が冷たくなるなどの症状を訴える人もいます。

ストレスに無自覚な人もいますが、体に現れる反応を見ながら、せめて自分がストレス状況下に置かれていることに気づいてあげることが大切です。

ストレス・自律神経バランスを整える漢方薬

【加味逍遙散】 血虚と水の代謝が悪ければ加味逍遙散

【柴胡竜骨牡蠣湯】 イライラ、忙しすぎて落ち着かない、睡眠の質が悪い、動悸がする、便秘がち、みぞおちに抵抗、割と声が大きいなら柴胡竜骨牡蠣湯

【四逆散】 お腹がガッチガチで石のように硬い。胃に痛みを感じる、低血圧で朝起きづらい、緊張で手足に汗をかいたり冷えたり、話しながらカラダに力入りまくって、セルフマッサージしながらしゃべっている人も。こんなタイプには四逆散

【抑肝散】 イライラ、言語化するのが苦手で溜め込む、水の巡りが悪いなら抑肝散 みぞおちに抵抗あるならプラス半夏、陳皮を。歯軋りするならプラス芍薬黄蓮を。

柴胡体質の女性は質問に対して理路整然と答え、しっかり話す人が多い印象です。世間ではこんな風な状態を求められているんだな、と感心したりもします。

他にも柴胡を使った漢方薬は色々あります。

体調不良は症状がなくなれば終わりではないケースもあるので、漢方薬を飲んで休めない状態が抜けてきたら、本人のマインドセットを変えていく真の養生の相談へと移っていきます。

自律神経バランスを整える薬膳

では、ストレスを受けた時に薬膳では、どのような食材をとるのが良いのでしょうか。それは「肝」を優しくいたわってあげて、かつ助けてあげる食材を選ぶことです。

①気のめぐりを良くする食材を選ぶ

柑橘類 オレンジやレモンなどの柑橘類の芳香が気のめぐりを良くします。日本では実の部分のみが重宝して使われますが、皮にも気のめぐりを良くする薬膳的効果を期待することができます。輸入した柑橘類には、ポストハーベスト(収穫後に撒かれる農薬)の問題がありますので、国産の有機栽培のみかんなどを手に入れたら、「一物全体食(いちもつぜんたいしょく)」と言って、皮までしっかり使いましょう。みかんの皮は、芳香によって精神的にリフレッシュする以外にも、胃腸の気のめぐりを良くするため、消化不良やお腹にたまったガスなどの問題も改善してくれます。また、実の部分はカッカと怒りっぽくなりのぼせている時、熱がこもってほてる時など「陰=潤い」を与えることでクールダウンさせてくれます。

②紫蘇科食材などの芳香のある食材

紫蘇・ローズマリー・オレガノ・ラベンダー・ミント・セージ・エゴマ・バジルなどのシソ科植物。芳香成分ぺリルアルデヒドが、気のめぐりを良くしてくれます。また、シソ科植物は胃腸薬としても重宝します。ストレスから、胃に不快感を感じ、吐き気などを感じる祭に積極的にとりたい食材です。

③セリ科食材などの芳香のある食材

セリ・ディル・パセリ・フェンネル・パクチー・ミツバ・人参・セロリなどが挙げられます。

漢方薬でも当帰・柴胡・川芎など、セリ科の植物由由来の生薬はよく使われます。婦人科ではイライラなどの精神症状に、加味逍遙散(かみしょうようさん)という漢方薬がよく使われますが、柴胡(さいこ)という生薬が中心担っています。当帰は、血を養い、川芎は、気の鬱滞による痛みを解消してくれる生薬です。セリ科植物は根っこの部分まで芳香があるのが特徴ですが、我慢気質の日本人にとってはいずれも重宝する食材・生薬です。

④肝の血を増やす食材を選ぶ

栄養不足だと、いい血液が脳に行かなくなるため、マイナス思考になる、ストレスに弱くなるという特徴があります。「生きたい人生を選び、生きたいように生きる」ことをかかげている人の多くは、そもそもやり遂げるまでに大きなストレスを感じていないか、ストレスを感じても楽しめる程度で、ストレスに強い人なのです。ストレス閾値を高めていくためには、「血」を増やしていくことが大切です。血を補う食材はレバー・牛肉・豚肉・鶏肉やマグロ・カツオなどの赤身の魚などです。たんぱく質は「食い溜め」ができないため、間食に焼き鳥やゆで卵を食べるなど、こまめにたんぱく質補給するのが大切です。また、ダイエットで動物性たんぱく質を食べない女性が多くいますが、疲れやすくなるだけでなく、精神的トラブルにも繋がりますので、是非積極的に摂るようにしてください。

ストレスを感じた時にどうすればいいか?

時間がそもそもなくて、精神的に余裕がない人に向かって、「リラックスしましょう」などと声かけしても、一笑に付されてしまうこともあります。

✔️かっちりした衣類を避ける

✔️規則正しい生活を心がける

✔️睡眠を心がける

✔️運動をする(リズム運動)

✔️緑のある場所に行く

✔️広い空間で過ごす

✔️第3のコミュニティを持つ

心の切り替えをすることが難しい人は、体から働きかけるようにしましょう。不規則な生活をしている人は、規則正しく生活することが意外に有効です。テレワークが推奨されるようになってから、いつまでも仕事してしまう、昼休憩を取らないでいる人も多く見られます。必ず休憩を取るようにして規則的な生活を心がけるようにしましょう。また、大人になってからの運動習慣はなかなか難しいし、時間がないという人も多いのですが、昼ごはんを食べ終わったら緑の多い公園を散歩するなど、工夫すればいくらでも習慣を変えていくことができます。そして、「家庭と仕事」だけになってしまう人は、ストレスを感じやすくなるため、自分にとっての「第3のコミュニティ」を持つことも大切です。自分にできそうなところから始めてみてはいかがでしょうか。

終わりに

精神的ストレスを感じた時に、メンタルクリニックに行くことも選択肢の一つですが、受診をためらう人も多いようです。また、西洋薬により一時的に自分を立て直すことも時には必要ですが、「対症療法的な西洋薬とはいつまで付き合うのか」や、副作用なども合わせて考えていきたいですね。是非、自分の体のアンバランスを見つけて、整えていくよう日々の生活の中で、できることを実践してみてください。

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代々木上原漢方相談 女性のための漢方薬店 日日漢方 更年期・PMS・生理痛・不妊症・子宮筋腫・卵巣嚢腫・子宮頸部異形成・産後体調不良・妊活など女性特有の体調不良をサポート。プライベート空間で初回ご相談じっくり、1時間。漢方薬だけでなくライフスタイルも提案します。

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