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不眠症と漢方

不眠症と漢方

最近、満足な睡眠取れてますか?

快適な睡眠を得られない人が増える夏、夜、暑さで寝苦しく途中何度も起きていませんか?外に出れば暑すぎて、室内に入ればクーラーの効きすぎで体が冷えて切ってしまうような環境では、自律神経が乱れやすくなり、睡眠の質も悪くなります。ただでさえ毎日仕事で過緊張状態、時間に追われることで交感神経が優位になっている上に、夏の暑さが加わることで、輪をかけてわたし達から快適な睡眠を奪ってしまいます。今回は、「不眠症とは」「睡眠が取れないことによって現れる症状は?」「不眠症になる原因」「不眠症の治療」「不眠症の漢方薬治療」についてお伝えしています。

<不眠症とは>

不眠症とは、睡眠の問題を抱えて、日中の倦怠感や集中力の低下、気力の低下、食欲の低下などを伴う病気を言います。

入眠困難(にゅうみんこんなん)・中途覚醒(ちゅうとかくせい)・早朝覚醒(そうちょうかくせい)・熟睡困難(じゅくすいこんなん)など睡眠の問題が一カ月以上続く状態で、満足いく睡眠が得られないことから、日中のパフォーマンス低下につながります。

●入眠困難 ベッドに入ってから2,3時間以上眠ることができず、寝付くまでに時間がかかるタイプです。

●中途覚醒 途中で何度も起きてしまうタイプです。途中起きてしまっても再び眠れるようなら問題ありませんが、深夜に目が覚めてしまい、そこからずっと起きてしまっている状態です。

●早朝覚醒 目覚まし時計よりも早めに目が覚めてしまうタイプです。加齢によって体内時計がうまく働かなくなることで早起きしてしまうようになります。大事な会議などを控えている、トラブルがあって心配事が続いている時に、目覚まし時計よりも早い時間に目が覚めてしまうことがあります。

●熟睡障害 眠りが浅く夢を見ることで、熟睡感が得られないタイプです。途中、物音によって何度も目が覚めてしまうことがあります。日頃偏ったダイエットなどにより、栄養が足りず、脳に良い酸素や栄養を運ぶことができないことにより、熟睡することができなくなります。

<睡眠が取れないことによって現れる症状は?>

睡眠不足が原因で死ぬことはありません。しかし、睡眠不足が続くと、翌日疲れが残るだけでなく、頭が働かない、集中できないなどの作業効率が落ちて不快感を伴います。また、精神面にも影響し、不安定になったり、イライラしたり、落ち込み易くなったりすることもあります。

<不眠症になる原因>

不眠症になる原因は人それぞれ、どのようなことが原因として考えられるのでしょうか。

①日常のストレス:普段から責任感が強く緊張を伴うことが多い。不安感が強いなど、常に交感神経がオンになっている状態です。寝付けない、眠りが浅い、途中目が覚めるなどの症状が見られるようになります。

②スマートフォン・パソコンの見過ぎ:情報処理によって頭が冴え、光の刺激により脳が覚醒してしまい、眠れなくなります。

③加齢:年齢と共に体内時計がずれて、朝4時頃起きてしまうなど、睡眠時間が短くなります。ですので、年をとって「昔に比べて眠れなくなった。」というのは当たり前なのです。

④栄養の偏り:栄養不足によって脳に良い栄養や酸素を送り届けることができずに、不眠を引き起こします。また、食事してからすぐに寝ると、血糖値が下がらないため、良質な睡眠を得ることができなくなります。

⑤ショックな出来事:身内を亡くすなどの大きなショックがある場合や、病気を宣告されたのを機に眠れなくなることがあります。睡眠が浅く、夢をよく見るなど熟睡感が得られなくなります。

⑥睡眠前の食事:血糖値の乱高下が、質の良い睡眠を妨げます。

⑦アルコールの摂りすぎ・タバコ

<不眠症の治療>

不眠症の一般的な治療には、睡眠薬を使います。寝つきが悪い人には「マイスリー」「ハルシオン」「ベルソムラ」などの入眠導入剤、中途覚醒などには「レンドルミン」など、不安感が強くて眠れないタイプには「デパス」などの安定剤を用いることがあります。いずれも常習性があり癖になることもあります。ですので、睡眠薬を使わなくて良い体質作りが必要です。

<不眠症の漢方薬治療>

漢方治療で睡眠薬を使わなくても良い体質作りを目指していきます。「不眠症にはこの薬」というものではありません。私達の体は「気」「血」「水」で成り立ち、これらが過不足なく体にあり巡っている状態が健康と言えます。日頃の精神状態やストレス、疲れ、働き方や考え方、毎日の栄養の取り方、運動習慣の有無、入浴習慣などをうかがいながら、個人の体質に合った漢方薬を選び「気」「血」「水」のアンバランスを調整していきます。また、生活習慣での偏りが睡眠に影響を及ぼしているケースがほとんどですので、ライフスタイルに関してもアドバイスをさせて頂きます。

●気を巡らせてリラックスを助ける【柴胡剤】・・・柴胡加竜骨牡蛎湯 抑肝散 加味逍遥散など

気を巡らせリラックスを助ける処方。ストレスによって自律神経が乱れ気の巡りが悪くなっている人に使う処方です。普段から緊張が強く、肋骨下を抑えると抵抗・痛みを感じている人に使用します。

●上がった気を下ろしてくれる【桂枝剤】・・・桂枝加竜骨牡蠣湯など

神経過敏によって睡眠の質が悪くなっている人 動悸や自然発汗などの症状もみられます。

●潤おすことで 陰陽バランス(自律神経バランス)をとる【地黄剤】・・・知柏地黄丸 杞菊地黄丸 むずむず足症候群を伴うような三物黄芩湯

手足がほてることで入眠困難となったり、加齢による夜間尿での中途覚醒や早朝覚醒なども見られるタイプに使用することがあります。

●【その他】「血」の不足に見られるタイプ

加味帰脾湯 普段から心配事が多く、食が細い。眠りが浅くて夢を多く見るタイプ。酸棗仁湯 脳に酸素がいかないため眠れない症状がでている人に用います。牛黄カプセル 考え過ぎて脳が充血してしまっていて、ヒートアップしているタイプに用います。

漢方薬は「この症状にはこの薬」というものではなく、一人一人眠れなくなっている原因や体質を見極めて選んでいく必要があります。睡眠の質を上げるために色々試して見てもなかなか睡眠の質が良くならない方は漢方での体質改善もおすすめです。

<終わりに>

「ちゃんと食べられる」「ちゃんと排泄される」「ちゃんと眠れる」は自分が健康のバロメーター。熟睡感が得られない、寝つきが悪い、などの症状は、睡眠薬で解決しますが、体の内側の偏り、根本原因からは治せません。偏りを正して、良質な睡眠を取れる体質にするのが漢方薬。眠れない原因は一人一人違うため、その人に合わせたケア

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