東京・代々木上原にある漢方薬店

ご予約
お問合せ
アクセス
営業案内
ズボラ薬膳
漢方症例

「生理なんて面倒くさい!」5年間生理が来ない状態を放置、漢方を飲んで1年半で生理が来るようになる「続発性無月経」の症例

漢方薬を飲んで、5年間来なかった生理が1年半で来るようになった「続発性無月経」の症例をご紹介させていただきます。

拒食症をきっかけに生理が全く来なくなってしまった10代女性。食べることに罪悪感があり、「生理はめんどくさいから来ない方がいい。」と感じ、生理がこないままにしていました。心配した母親に連れられて来店。スリムな体型、将来に対して希望が持てなかった女性が、生理が来るようになったと共に、将来に対して意欲的に取り組むようになる前をご紹介させていただきます。こちらは患者さまご本人に確認してから掲載させて頂いております。漢方治療にお付き合いくださいました、患者さまに感謝を申し上げます。

初回来店時

お母さんに付き添われて来店。来店当初、164㎝で41キロ。様々な不調を訴え、病院を色々巡ってみたけれども、「どこに行っても治らない。病院の無機質な感じの対応に傷ついた。」と、不安を抱えていました。

<主なお悩み>

生理が4年間来ていない。拒食症 太ることへの恐怖感がある。

精神的に傷ついたことをきっかけに拒食症になる、生理が止まってしまったとのこと。最近は、鬱っぽくなるし、イライラしやすい。学校の人間関係で緊張しやすい、他人からどう思われているか不安に思うことも多い。理由もなく落ち込むことが多々ある。

また、「体力が落ちて疲れやすくなった。」とのこと。意識して食べるようにしているけれども、食べて太ることへの恐怖感がある。脂を使っているものは気持ち悪くなってしまうため、キャベツや大根などの野菜を食べている。食べると、すぐお腹いっぱいになってしまう。しかし、食べないとくらくらしてくる。太ることへの怖さがある。筋肉をつけようと筋肉トレーニングをしているが、なかなか筋肉がつかないとのこと。頑固な便秘で病院にて下剤を処方されるも、全く出ないとのこと。便秘は中学2年生の時(4年前)からしていて、4日から5日に一回しか出ない。ラキソベロンやビオフェルミンなど病院でもらえる下剤は全て試した。お腹に空気がたまりやすく、便秘でお腹が痛い時に背中まで痛くなる。また、便秘によって胃が圧迫されているため、胃の痛みを感じる時がある。

その他にも足に湿疹が出る。頬の血管が浮き出ているのが気になる。

体温調節がうまくいかず、冷え症、寒がり。学校は寒すぎてからだが痛くなり一人だけガタガタ震えている。普段、疲れやすく学校から家に帰ってくると、ぐったりして動けなくなる。足がつりやすい。肌が黄色い。貧血あり。夜中に口が乾きすぎて4回目がさめる。肩こり、首こりあり。苦しくなって息が吸えなくなる。

トイレが近い。ほてりなし。汗かきにくい。など様々な不調を訴えてきました。

舌やや紅 胖大 辺尖紅

脈沈微細

腹力無 胸脇部抵抗あり心下抵抗あり

(処方)十全大補湯と四逆散の2種類を処方。

やりたいは沢山あるのだけれどもこなす体力がなくて思うように動けず、葛藤から苦しんでいる様子。 BMI低値、ダイエットにより必要な栄養の不足、血虚から様々な状態が出ていると判断。血虚のため、精神的に不安定になる、また湿疹も栄養不良によるものと判断。血虚による足のつり、便秘など様々な症状が出ている様子。

「当帰」、また乾きを訴えるため「熟地黄」を中心とした血を補う処方を考える。食べられない状態が続いるため、食欲と体力を回復する「人参」を使うことを考える。また、腹診をしたところ、胸脇部に抵抗が見られるため、緊張しやすい、腹部の張りが見られることから「柴胡」を中心とし、「枳実」も加えた処方を考える。

(生活面でのアドバイス)

筋肉トレーニングをしても筋肉にならないため、逆に消耗してしまうことを伝え、筋トレでなく有酸素運動に切り替え、リラックスをするよう促す。

>>3週間後(2回目漢方カウンセリング)

飲んでいると調子が良い。便が出るようになる(2日に一回)。冷えの変化は分からない。塾があり、勉強で寝不足気味。疲れすぎて、ご飯がのどを通らなくなってしまうことがある。講習中筋トレできなくて、筋肉が落ちる。「精神的に少し安定してきたように思う。」疲れていたため、寝つきは良かった。これから学校がはじまるので体力的な不安がある。

(処方)その後も漢方によるカウンセリングを続けながら、同じ処方を出す。

>>2か月後変化

(症状変化)

寝つき改善。ストレスへの抵抗が高まり、不安感も少なくなる。

緊張による胃の痛みや腸の痛みはなくなる。息苦しさが減る。胸が詰まる感じが楽になっている。目の疲れを感じる。睡眠時間少ない。(12時に就寝、6時に起床。夢を見る)

学校に行くと緊張が強く、言葉に慎重になりすぎて考え込み、頭痛がする、体に力が入りすぎてヘトヘトになるなどの症状が見れる。また学校で成績は一番、それを維持するために、プレッシャーを感じる。

(生活面でのアドバイス)

自らにプレッシャーをかけてしまう、他人を気にしすぎたりする症状は「血虚」の患者によく見られる。「血」を補うため、胃腸に負担のかからない赤身の魚などをグリルしてタンパク質もしっかり食べるように指導。

(処方)しばらく同じ処方とカウンセリングで様子を見る。

>>4か月後変化

(症状変化)

学校に7日間連続通ったため、疲れをひどく感じる。食べたい衝動にかられる。小麦を食べたくなる。鍋いっぱいの野菜スープを一回で全て食べきることもある。食べ過ぎた後は、胃がもたれて気持ち悪くなる。気持ち良くねむりにつけることがない。疲れているあまり理由もなく涙が出てくる。自分が何をすべきかわからなくなる。このままやっていても全てぐちゃぐちゃになるのかもしれないという、不安感が強く集中できない。漠然としたさみしさを感じている。夢を見る。人とかかわりたくないと感じる。自己肯定感は少ないと思うとのこと。(中学2年生の時から)冬になり、手足冷えはひどくなり手袋をして勉強している。疲れによって全身痛くなることがある。(痛みは押したりもんだりしてもらうと改善)日常のことができず、忘れ物多い。遅刻もよくする。お風呂に入れないで寝てしまうことも多く、一週間くらい続いているとのこと。 寝ると回復できる。あまりに疲れすぎて言葉が出てこないとのこと。浮腫みなし 肌のぽつぽつあり 排便2日に一回で改善している  舌:薄白苔 やや紅

(処方)加味帰脾湯と四逆散に変更して処方

不安感があることや頭で考えすぎてしまう、他人の目線が気になるなど、眠りが浅いなどは「心血虚」の患者さんに良く見られるため加味帰脾湯に変更する。

>>5か月後変化

(症状変化)

今までになく楽に感じる。薬が合っている、自分に余裕が出てきた。便秘解消。(2日に1回排便)食欲出る。周りからも食べられるようになったと言われるようになる。冷えも楽になる。眠り前に比べて良い。疲れやすさあり。長時間座りっぱなしだと腰付近がしびれてくる (外側~ふくらはぎにかけてしびれあり)腕の付け根に痺れがあり、寒いとひどくなる。頬の皮膚の血管が拡張しているのが気になる。ストレスの時に食べられなくなる 胸が苦しくなるけれど前に比べるとかなりいい。

(処方)加味帰脾湯、四逆散、当帰四逆加呉茱萸生姜湯

「血虚」の患者は、熱を運ぶことができないため寒さの影響を受けやすい。それによる血行不良となっているため、血を補いながら温める「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」を加える。

>>6か月後変化

(症状変化)

冷えが改善されている。学校が辛くて精神的不安定になる。涙が出る。ストレスで眠ることができない。呼吸しづらい。不安感が強い。精神的に落ち着かない。些細なことに敏感に反応する。学級委員になり、クラスをまとめるためにプレッシャーを感じている。排便4日に1回。お腹の張りあり。

(生活面でのアドバイス)

一日の終わりに反省会をやっているとのこと。自分を責める傾向にあるため、振り返りをしないようアドバイス。

(処方)同処方、この後、その時々で調整しながら、同じ処方をベースにしばらく続けました。

>>10か月後変化

(症状変化)

食欲が出て体重が増えている。(体重は怖くて測っていない)ストレスで息苦しい。口が渇く。便秘5日に一回、排尿問題なし。精神的なストレスが強い。(不安、イライラ、マイナス思考、落ち着きがない)

(処方)加味逍遙散、四物湯  食欲が増えて、食べ過ぎる傾向があるため、「人参」を抜いて処方を考える。

>>1年後変化

(症状変化)

体重1年で4キロ増加。体力つく。インターシップで立ち仕事をする。皮膚や口の渇き改善する。疲れるとイライラしてくる。胃腸が重い。眠り浅い・予定を入れすぎてしまうが、予定をこなすことができない。歯ぎしりがひどい。暑さで頭痛。寒暖差に弱い。便秘、お腹の張りあり

(処方)加味帰脾湯、四逆散

>>1年3か月後

(症状変化)

バイトを始めた。緊張感あり。学校に行って、終わるとすぐにバイトへ直行している。便秘あり。学校で便意に気付かないため。お腹張りあり。164cm 49キロ 来店当初より体重が8キロ増える。

処方)当帰のシロップ剤、四逆散

>>1年6か月後

生理が来る。食べることへの罪悪感は以前よりなくなる。

(終わりに)生理は自分のからだから送られておくるバロメーターです。

思春期に、過度なダイエットにより生理が来なくなってしまい「生理が面倒くさい」などの理由から、そのままにしている女性は多くいます。しかし、生理が来ないというだけでなく、冷え症や疲れやすい、精神的に安定しないなど、その他様々な不調を抱えているケースがほとんどです。生理は「自分のからだのバロメーター」となりうるものです。生理が安定していない状態では、精神的に安定せず、自分の将来に対して希望が持てなくなることもあります。生理・妊娠・出産・更年期・老年期などは、その時期その時期で別けて捉えるのではなく、今の自分が将来の自分を作っているため、将来への不安をなくすためにも、まずは「生理」をよく観察して、整えていくことが大切です。生理不順や無月経などでお困りの方は、是非お気軽にご相談ください。

コメント

この記事へのコメントはありません。

関連記事

  1. 乳がんと漢方症例 乳がん手術後のタモキシフェンによる副作用・ホットフラッシュが漢方薬で改善

  2. 産後、寝付けずに朝を迎えてしまう不眠症が漢方薬で改善

  3. 春に感じやすいストレス・自律神経の乱れを整える漢方薬と過ごし方

  1. 乳がんと漢方症例 乳がん手術後のタモキシフェンによる副作用・ホットフラッシュが漢方薬で改善

  2. 産後、寝付けずに朝を迎えてしまう不眠症が漢方薬で改善

  3. 春に感じやすいストレス・自律神経の乱れを整える漢方薬と過ごし方

PAGE TOP