多嚢胞性卵巣症候群と漢方薬
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは
多嚢法性卵巣症候群(PCOS)とは、ホルモンバランスが乱れて、排卵がうまくいかずに生理不順となります。そのため妊娠のタイミングが分かりにくいこと、旅行や仕事の予定を決めること、温泉に行くこと、白い服を選ぶことさえも「大丈夫かな」と考えてしまい、思うように予定が立てられないこともあります。さらに「来そうで来ない」生理を待ち続ける状態は、気持ちが落ち着かず、モヤモヤ、知らないうちに心にも負担がかかってしまうのです。当サイトでは、医療行為や診断に代わるものではなく、病院での検査・診断を大切にしたうえで、漢方薬を使用して体質改善することを軸に日常でできる養生や体との向き合い方についてお伝えしています。
もし、生理不順だったら必ず病院で検査を受けて原因を知りましょう現在の体の状態を正しく知ることで、今後の選択肢が見えやすくなります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断は、医療機関における検査によって行われます。
生理の状態の確認に加え、超音波検査(エコー検査)による卵巣の状態の評価、必要に応じて血液検査などを組み合わせて、総合的に判断されます。
生理不順や排卵の乱れがある場合でも、自己判断で「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)かもしれない」と決めつけるのではなく、まずは婦人科での検査を受けることが大切です。
診断基準を満たすかどうか、また現在の体の状態を正しく知ることで、今後の選択肢が見えやすくなります。
なお、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断された場合でも、症状や経過には個人差が大きく、治療や対応方法も一人ひとり異なります。
医師による検査・診断をベースにしながら、日常生活の整え方や体調管理を見直していくことで、体のリズムが変化していくケースも少なくありません。
当サイトでは、医療行為や診断に代わるものではなく、病院での検査・診断を大切にしたうえで、日常でできる養生や体との向き合い方についてお伝えしています。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断基準
①月経異常がある:以下のいずれかがみられる場合とします。
無月経
稀発月経
無排卵周期症
②排卵障害がある
排卵が起こりにくい、または起こっていない状態
基礎体温が二相性にならないなど、排卵の確認ができない
③多嚢胞性卵巣の所見がある
超音波断層検査において、両側卵巣に多数の小卵胞が認められること。少なくとも一方の卵巣において、直径2〜9mmの小卵胞が10個以上存在することが挙げられます。
④ 内分泌検査は適切な時期に行う
排卵誘発薬や女性ホルモン剤を使用していない時期に行います。1cm以上の卵胞が存在しないことを確認したうえで検査を行います。月経開始から10日目までの時期は、LH高値が検出されにくい点に留意する必要があります。
Ⅰ男性ホルモン高値の評価
以下のいずれかを用い、各測定系の正常範囲上限を超えるものを男性ホルモン高値とします。テストステロンの値が高いことにより、卵胞が大きく育たないことがあります。また男性ホルモンが多いことにより、ニキビ、多毛などの症状が出ることもあります。
ⅡLH高値の判定基準
⑤インスリン抵抗性(血糖調節の影響)
一部の多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)では、インスリンが効きにくく、それを補おうとしてインスリンが多く分泌されるその影響で卵巣が男性ホルモンを作りやすくなり、排卵がさらに起こりにくくなるという悪循環が起こります。
⑥遺伝的・体質的な要因
- 家族に月経不順の人がいる
- 思春期から生理が不安定だった
など、生まれ持った体質が関係していると考えられています。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の原因
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は卵巣だけに原因があるわけではありません。ホルモンの司令塔である脳(視床下部・下垂体)と卵巣の連携、血糖や代謝の状態、さらには体質や生活習慣などが影響し合いながら起こる、体全体のバランスの問題です。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と類似疾患を除外して考えていきます。
以下は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と症状が似ているため、鑑別が必要とされる主な疾患です。
- 副腎の酵素欠損症
- 副腎のアンドロゲン産生腫瘍
- クッシング症候群
- 卵巣のアンドロゲン産生腫瘍
- 莢膜細胞増殖症
- 高プロラクチン血症
- 高アンドロゲン血症
- 単純肥満
これらの疾患は、ホルモン検査や画像検査など、医療機関での検査によって区別されます。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療法は?
妊娠を希望しない場合
低用量ピル(ホルモン剤):ホルモンバランスを整え、規則正しい月経を起こさせ、子宮内膜増殖症や子宮体がんのリスクを低減します。
カウフマン療法:ホルモン剤で月経周期を整えます。
妊娠を希望する場合
排卵誘発剤:排卵を促すために、内服薬(クロミッド、フェマーラなど)や注射が使われます。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と漢方薬
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、ホルモンが働きやすい環境を整えてあげることが大切です。腎の弱り、脾の弱りによる痰湿、肝の気滞の3パターンを主な原因として捉えていきます。
①腎の弱りに選びたい漢方薬・・・生殖・発育・ホルモンバランスを司る「腎」の力を強くしていくことが大切です。参茸補血丸や鹿参仙など
②脾の弱りによる痰湿に選びたい漢方薬・・・消化できず余った水がドロドロしている状態「脾」を整え、「痰湿」を取り除く漢方薬を選びます。六君子湯や温胆湯など
③肝の気の巡りを良くするために選びたい漢方薬・・・気の巡りを良くして、瘀血を取り除く漢方薬「芎帰調血飲第一加減 (きゅうきちょうけついんだいいちかげん)」など

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の人の基本養生 5つの柱
① まずは「腎」を守る(がんばりすぎない)
夜更かししない・予定を詰めすぎない・疲れている日は休むを選ぶ
② 冷やさない(特に下半身)
足首・お腹・腰を温める・冷たい飲み物は控えめ・夏でもシャワーだけで済まさない
③ 脾を助ける食べ方(痰湿を作らない)
NG❌・・・甘いもの(砂糖・菓子パン)・冷たいもの・小麦・乳製品のとりすぎ
OK⭕️・・・温かいごはん・スープ・煮物
少量でいいから「よく噛む」ことや「食べすぎない」よりも「消化できる量・形」ことが大切だと考えます。
④ 巡らせる(肝をゆるめる)
軽い散歩・深呼吸・ストレッチ・感情を溜めないことなど
最後に
生理を起こすために何かをすることではなく、体が整った結果として生理が来ます。焦らず、体の小さな変化を見ていくことが大切です。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断されて、「この先どうなるんだろう」「ちゃんと生理は来るの?」「妊娠できるのかな」と、同じ不安を何度も頭の中で繰り返してしまう方は少なくありません。症状は人それぞれ違うのに、目に入ってくる情報は断片的で、比べれば比べるほど焦りや不安が強くなってしまうこともあるでしょう。でも、感じているつらさに正解や不正解はありません。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、急いで結果を出そうとすればするほど心も体も苦しくなりやすい状態です。一方で、体を丁寧に整える時間を重ねていくことで、少しずつ体からの反応が返ってくる方も多くいらっしゃいます。今日すぐに変わらなくても大丈夫ですし、思うようにいかない月があっても構いません。体調が安定しない自分を責める必要はありません。今は「どうにかしなきゃ」と無理に前に進む段階ではなく、「今の体の状態を一緒に見ていく」時期です。一人で抱え込まず、あなたの体のペースを大切にしながら、少しずつ整えていきましょう。

日日漢方は、女性特有の揺らぎに寄り添う漢方薬店です。
日日漢方がある代々木上原。この街には、仕事もファッションもライフスタイルも自分らしく楽しみたい働く女性たちが多く訪れます。体調不良を理由に、これまで築いてきたキャリアをあきらめてしまわないように。
●「こんなこと相談してもいいの?」LINEからお気軽にお問い合わせください。

●まずは自分でセルフケアしたい時にはズボラ薬膳からスタート
ズボラ養生おやつ なつめチップス ―天然の甘みが優しく心と体を栄養します。―
コメント