高血圧と漢方薬
― 40代後半からの“ゆらぎ”と向き合う ―
40代後半を迎える頃、ふとしたきっかけで「血圧が高め」と言われるようになった…気になるものの、毎回高いわけではないから、どうしたら良いものか。年齢を重ねるにつれ、代謝の低下やホルモンバランスの変化によって、これまで気にしていなかった数値が気になるようになってきます。特に女性は更年期を迎える頃から、血圧の上昇やそれにともなう不調を自覚しやすくなります。治療が始まる前のいわゆる「未病」と言われている段階のものに漢方薬が奏功することがありますので、血圧が気になる方は是非、ご参考にしてください。
血圧とは
血圧とは、血液が血管内を流れるときに血管の壁にかかる圧力のことです。主に心臓が血液を送り出すポンプの働きと、血管の弾力や抵抗によって決まります。
血圧の基本構造
- 収縮期血圧(上の血圧)
心臓が収縮して血液を押し出すときの圧力。この時、動脈にかかる圧力が最も高くなります。 - 拡張期血圧(下の血圧)
心臓が拡張して次の拍動に備えるときの圧力。この時、血圧が最も低くなります。

血圧を決める主な要因
- 心拍出量(1分間に心臓から送り出される血液の量)
- 末梢血管抵抗(血管の細さやしなやかさ)
- 血液量(体内の水分や塩分バランス)
- 自律神経やホルモンの影響(交感神経、副腎ホルモンなど)
高血圧とは〜血圧が高いとは〜
高血圧とは、血管内の血圧(血液が血管を押す力)が慢性的に高い状態をいいます。一般的には、日本や国際的な血圧の基準🩸で 診察室血圧が 140/90 mmHg 以上 の場合に「高血圧」と診断されます(家庭血圧では 135/85 mmHg 以上)。
高血圧の種類
- 本態性高血圧(一次性高血圧)
原因が特定できないが、遺伝や生活習慣(塩分過多、肥満、運動不足、ストレスなど)が関与し、高血圧の約9割を占める
- 二次性高血圧
明確な原因があるタイプです。下記のような原因が挙げられます。
腎臓病・・・腎臓の動脈が狭くなることで、腎臓への血流が悪くなることによって起こります。
内分泌疾患・・・原発性アルドステロン症、クッシング症候群、甲状腺異常(甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、副腎機能低下症)
その他・・・薬剤の影響(※)、睡眠時無呼吸症候群
※二次性高血圧の原因になる薬剤・・・エストロゲン製剤・非ステロイド性抗炎症薬・グルココルチコイド(副腎皮質ホルモン)・その他・・・総合感冒薬に含まれるフェニルプロパノールアミンなど
高血圧のサインは意外なところにある
血圧が高いと診断される前兆として、頭痛・首こり、イライラする、寝つきが悪いなどが挙げられますが、更年期と重なると、「歳のせい」と、やり過ごしてしまうこともありますので、
高血圧が続くとどんなことが起こるのでしょうか
〜高血圧の症状〜
血管内壁に圧力がかかり続けることで血管が傷つきます。何度も傷つくうちにやがて動脈硬化がおきます。狭くなった血管では血流が悪くなるため、心臓は更に強い力で血液を送ろうとするため、更に血圧が高くなる悪循環が生まれます。動脈硬化は脳や心臓、腎臓、目などの全身に影響を及ぼすため、脳梗塞・脳出血、心筋梗塞・心不全、腎不全などの病気になりやすくなります。

高血圧の治療
高血圧の治療は、大きく分けて 生活習慣の改善 と 薬物療法 の二本柱で行われます。進行度や合併症の有無によって、どちらを優先するか・組み合わせるかが決まります。
高血圧の生活習慣の改善(一次治療)
軽度高血圧や予防段階では、まずここから始めます。
●食事は下記が目安になります。
減塩:1日 6g 未満が目標(日本高血圧学会基準)
野菜・果物を多く:カリウムやマグネシウムが血圧安定に役立つ
DASH食(Dietary Approaches to Stop Hypertension):野菜、果物、低脂肪乳製品、魚・大豆製品などを中心に
アルコール制限:男性は日本酒1合、女性は0.5合程度まで
●運動習慣がありますか?
有酸素運動(ウォーキング、軽いジョギング、水泳)を週150分以上
激しい無酸素運動や一時的に血圧を大きく上げる動作は注意
●体重のコントロールはできていますか?
BMIを25未満に 内臓脂肪型肥満の改善は特に重要
●ストレスは解消できていますか?睡眠は問題ありませんか?
深呼吸や瞑想、趣味などで自律神経の安定を促す。睡眠時間の確保(7時間前後)
高血圧の薬物療法
生活習慣改善で十分に下がらない場合や、中等度以上の高血圧、臓器障害がある場合に開始します。
代表的な薬の種類:
- Ca拮抗薬(アムロジピンなど) 血管を広げて血圧を下げる
- ARB/ACE阻害薬(ロサルタン、エナラプリルなど)血管収縮ホルモンを抑える
- 利尿薬(トリクロルメチアジドなど)余分な水分と塩分を排出
- β遮断薬(メトプロロールなど)心拍数を下げて血圧を下げる
高血圧の背景にある“漢方的な視点”
西洋医学では血圧を下げることが主な目的となりますが、漢方では「なぜ血圧が上がっているのか?」を丁寧に見立て、体全体のめぐりとバランスを整えることを重視します。漢方薬の中には、気のめぐりを助けるもの、体を温めるもの、水の代謝を促すものなど、血圧の背景にある“根本”を支える処方が多くあります。
高血圧と漢方薬
検診で「血圧高め」と言われたけれど、日によって血圧が低い日もあり、薬に頼るかどうかを悩んでいる方には、定期的に病院で血圧をチェックしてもらいながら漢方薬をお飲みになることがお勧めです。また、すでに血圧を下げる西洋薬をお飲みの方は、現在お飲みの西洋薬と合わせて漢方薬をお飲みになることをお勧めします。血圧を下げることを目的としていますが、その他の高血圧に伴う症状や体質改善をすることでイライラすることやのぼせる、眠れないなどの症状の改善に繋げていくことができます。
✔️朝方の頭痛や、肩のこりが気になる
✔️イライラ、焦燥感、眠りの浅さが増えてきた
✔️むくみやすく、体が重たいと感じることが増えた
✔️運動や食事も心がけているのに、なかなか体調が整わない
血圧を下げることを目標にしますが、上記のように血圧が高いことに伴う症状を改善してくれます。
高血圧に良い漢方薬は?
高血圧に使う漢方薬を大きく分けて4つに分類しました。
ストレスが原因のもの・・・慢性的なストレスにさらされていることで、交感神経が優位になっている状態です。「肝」の昂りを抑える釣藤や自律神経を整える「柴胡」を中心とした漢方薬が用いられます。釣藤散、柴胡加竜骨牡蛎湯、抑肝散など
痰湿と呼ばれる肥満タイプ・・・インスリンが過剰に分泌されることでナトリウムの再吸収が起こっている。血中ナトリウムを薄めるために、体液量が増えて、血圧が高くなっています。「半夏」を中心とした漢方薬が使われることが多いです。半夏白朮天麻湯、半夏厚朴湯など
「瘀血」血管が硬くなっているもの・・・血管のしなやかさが失われることで血管に圧力がかかっているタイプです。冠元顆粒、田七人参など血流を良くする漢方薬を用います。
加齢によるもの・・・腎臓の働きが低下していることで、体液を排出できず、血流量が増えて血管を圧迫しています。八味地黄丸や六味地黄丸など、「地黄」という生薬を中心とした漢方薬が用いられます。
高血圧の人が意識したい生活習慣
1 加工食品や外食など塩分が多めの食事を控えること、薄味になれること
2 カリウム豊富な食材を意識して摂ること・・・体内のカリウム濃度が増えるとナトリウムが排泄されるためです。(バナナ、枝豆、昆布、わかめなどの海藻類、納豆、きのこ類など)
3 血管をしなやかに保つことができるオメガ3系の油が取れる食材を積極的にとること(1日小さじ1杯の亜麻仁油もしくはエゴマ油を推奨します。)
4 血管をしなやかに保つために歩くこと(毎日あるいは2日に1回、20分程度歩くことをお勧めします。)

漢方薬での治療を行う場合でも、病院で経過を診ていくことは大切です。また激しい頭痛・胸痛・息苦しさ・片麻痺・ろれつ困難・視野障害などの症状が見られるような場合は、すぐに病院にかかりましょう。
最後に
〜自分の体質に合ったケアを見つけてみませんか?〜
高血圧は何かしらの内側のアンバランスから来ています。数値だけにとらわれず、あなたの“今の体の声”に耳を傾けてみることが大切です。血圧が高くなっている原因が何かを探って、体全体バランスを整える体質改善がお勧めです。日日漢方では、体質カウンセリングや季節の変化に合わせたアドバイスも行っています。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。

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