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春に感じやすいストレス・自律神経の乱れを整える漢方薬と過ごし方

春は進学・進級・部署異動などの環境変化があったり、気圧差・気温差が激しくストレスを感じ、自律神経が乱れやすくなる季節です。最近「集中力がない」「疲れやすい」「気力が湧かない」などと感じている人、ストレスを感じているカラダや心からのサインかもしれませんので、是非受け止めてあげてください。今回はストレスと自律神経の乱れに対する対処法について、お伝えしていきます。

遊んだり、楽しんだりを練習しないとできない女性を漢方相談で扱うケースが非常に多いのですが、体調不良が起きて強制終了しない限り休めない、これは現代人あるあるだと思っています。本当は疲れているのに、疲れている自分をごまかすためにコーヒーを飲んで、興奮している状態になってバランス取っているような。

休む時に休めない、眠りの質は良くないし、交感神経優位で気が上に上っているものだから上半身だけ汗をかいたり、心臓は問題なくても動悸したり息苦しさを感じたり、アンバランスな症状が見られます。

「私更年期かしら?」そんな質問も頂きますが、ホルモンのバランスの問題よりも休んでいないことが大きな原因なこともあります。休みの日の過ごし方を問えば、仕事絡みか勉強会で、そんな人たちに休んでくださいの言葉は全く通用しないのです。

このような社会的背景に加え、女性にはホルモンバランスの変化があります。毎月来る生理、一生を通しての女性ホルモンバランス変化があることによって、ストレスによる影響を受けやすく、つい怒りっぽくなる、批判的になる、落ち込むなどの自分の意志ではどうにもならない精神状態に陥ってしまったり、疲れやだるさ、肩こり、頭痛、などの肉体的不調からストレスを感じたりする女性もいます。

怒りっぽくなる、批判的になる、愚痴が多くなる、ふさぎ込む、寝つきが悪くなる、途中何度も目が覚めてしまうなどの反応として現れます。

ストレスを受けた時に、ストレスを処理しようと臨戦態勢に入ります。我慢を続けた後に「怒り」として現れるようになります。これは自分の欲求が受け入れられなかった悲しいという感情が「一次反応」としてあり、怒りは要求が通らないという悲しみの「二次反応」として現れます。イライラするような状況が続くと怒りっぽくなる、批判的になる、愚痴が多くなる、ふさぎ込む、寝つきが悪くなるなどの精神症状として現れます。これらの症状は、我慢することによって更に悪化しますが、「あるべき」姿へのとらわれから、要求が通らない状況を自ら作り出していることもあります。日々の中で、自分を満たしてあげるということがとても大切になります。

また、肉体的にはこのような症状が見られるようになります。

✔️風邪を引きやすい

✔️肩こり・頭痛がする

✔️歯ぎしりする

✔️食欲がなくなる

✔️生理痛

✔️生理不順

✔️PMSの症状がひどくなる

などです。「風邪を引きやすい」など一見ストレスとは関係ないところに症状が現れるため、ストレスによって疲れやすくなっていないかなど、自分の体を総合的に観察して捉えておくことが大切です。

  • 張る
  • 悶々とする
  • 痛む

気滞は肝の経絡に沿った「張る」痛みを特徴とします。こめかみが張る、お腹が張ってガスがたまる、生理前に胸が張る、などの症状が見られるようになります。また胸が悶々とする、息が詰まる、ものがつかえる、呼吸が浅くなる、ため息をつくなどの症状を訴える人もいます。

そして、更に気がめぐらなくなると同時に血の巡りが悪くなることから、肩こり・頭痛・生理痛・ストレス時に手足が冷たくなるなどの症状を訴える人もいます。

ストレスに無自覚な人もいますが、体に現れる反応を見ながら、せめて自分がストレス状況下に置かれていることに気づいてあげることが大切です。

では、ストレスを受けた時に薬膳では、どのような食材をとるのが良いのでしょうか。それは「肝」を優しくいたわってあげて、かつ助けてあげる食材を選ぶことです。

柑橘類 オレンジやレモンなどの柑橘類の芳香が気のめぐりを良くします。日本では実の部分のみが重宝して使われますが、皮にも気のめぐりを良くする薬膳的効果を期待することができます。輸入した柑橘類には、ポストハーベスト(収穫後に撒かれる農薬)の問題がありますので、国産の有機栽培のみかんなどを手に入れたら、「一物全体食(いちもつぜんたいしょく)」と言って、皮までしっかり使いましょう。みかんの皮は、芳香によって精神的にリフレッシュする以外にも、胃腸の気のめぐりを良くするため、消化不良やお腹にたまったガスなどの問題も改善してくれます。また、実の部分はカッカと怒りっぽくなりのぼせている時、熱がこもってほてる時など「陰=潤い」を与えることでクールダウンさせてくれます。

国産みかんの皮

レモン麹

シソ科の植物

紫蘇・ローズマリー・オレガノ・ラベンダー・ミント・セージ・エゴマ・バジルなどのシソ科植物。芳香成分ぺリルアルデヒドが、気のめぐりを良くしてくれます。また、シソ科植物は胃腸薬としても重宝します。ストレスから、胃に不快感を感じ、吐き気などを感じる祭に積極的にとりたい食材です。

セリ科の植物

セリ・ディル・パセリ・フェンネル・パクチー・ミツバ・人参・セロリなどが挙げられます。

漢方薬でも当帰・柴胡・川芎など、セリ科の植物由由来の生薬はよく使われます。婦人科ではイライラなどの精神症状に、加味逍遙散(かみしょうようさん)という漢方薬がよく使われますが、柴胡(さいこ)という生薬が中心担っています。当帰は、血を養い、川芎は、気の鬱滞による痛みを解消してくれる生薬です。セリ科植物は根っこの部分まで芳香があるのが特徴ですが、我慢気質の日本人にとってはいずれも重宝する食材・生薬です。

【加味逍遙散】
血虚と水の代謝が悪ければ加味逍遙散

【柴胡竜骨牡蠣湯】
イライラ、忙しすぎて落ち着かない、睡眠の質が悪い、動悸がする、便秘がち、みぞおちに抵抗、割と声が大きいなら柴胡竜骨牡蠣湯

【四逆散】
お腹がガッチガチで石のように硬い。胃に痛みを感じる、低血圧で朝起きづらい、緊張で手足に汗をかいたり冷えたり、話しながらカラダに力入りまくって、セルフマッサージしながらしゃべっている人も。こんなタイプには四逆散

【抑肝散】
イライラ、言語化するのが苦手で溜め込む、水の巡りが悪いなら抑肝散 みぞおちに抵抗あるならプラス半夏、陳皮を。歯軋りするならプラス芍薬黄蓮を。

柴胡体質の女性は質問に対して理路整然と答え、しっかり話す人が多い印象です。世間ではこんな風な状態を求められているんだな、と感心したりもします。

他にも柴胡を使った漢方薬は色々あります。

体調不良は症状がなくなれば終わりではないケースもあるので、漢方薬を飲んで休めない状態が抜けてきたら、本人のマインドセットを変えていく真の養生の相談へと移っていきます。

時間がそもそもなくて、精神的に余裕がない人に向かって、「リラックスしましょう」などと声かけしても、一笑に付されてしまうこともあります。

かっちりした衣類を避ける

規則正しい生活を心がける

睡眠を心がける

運動をする(リズム運動)

緑のある場所に行く

広い空間で過ごす

第3のコミュニティを持つ

心の切り替えをすることが難しい人は、体から働きかけるようにしましょう。不規則な生活をしている人は、規則正しく生活することが意外に有効です。テレワークが推奨されるようになってから、いつまでも仕事してしまう、昼休憩を取らないでいる人も多く見られます。必ず休憩を取るようにして規則的な生活を心がけるようにしましょう。

また、大人になってからの運動習慣はなかなか難しいし、時間がないという人も多いのですが、昼ごはんを食べ終わったら緑の多い公園を散歩するなど、工夫すればいくらでも習慣を変えていくことができます。

そして、「家庭と仕事」だけになってしまう人は、ストレスを感じやすくなるため、自分にとっての「第3のコミュニティ」を持つことも大切です。自分にできそうなところから始めてみてはいかがでしょうか。

精神的ストレスを感じた時に、メンタルクリニックに行くことも選択肢の一つですが、受診をためらう人も多いようです。また、西洋薬により一時的に自分を立て直すことも時には必要ですが、「対症療法的な西洋薬とはいつまで付き合うのか」や、副作用なども合わせて考えていきたいですね。是非、自分の体のアンバランスを見つけて、整えていくよう日々の生活の中で、できることを実践してみてください。

薬剤師 田村英子

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