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月経前症候群(PMS)

月経前症候群(PMS)とは

生理前になるとわけもなく哀しくなり、涙もろくなったり落ち込んだりする。いらいらして身近な人にあたってしまう。生理前になるとうまく人とコミュニケーションが取れなくなる。など生理前になると敏感になり、人間関係がギクシャクしてしまって、しんどい思いをしていませんか?また体や顔がむくむ、頭痛、腰痛がひどくなる、肌荒れがひどくなる、便秘がひどくなる、胃が痛むという女性も中にはいます。生理前に体調が悪くなり、「自分らしくない」と感じるものの、生理が来た途端にとけろっと治ってしまうことがほとんどです。
このように、生理が始まる3—10日前から心身共に不調を来し、生理がきた途端に治る、生理前の不調のことを月経前症候群(PMS)と言います。

月経前症候群(PMS)の原因

月経前の様々な体調変化は、女性ホルモンバランスの変化によって多少でしたら、誰にでもあるものです。しかし、日常に支障をきたすほどのものでしたら、我慢せずにケアをしていく必要があります。生理トラブルの中でも多い月経前症候群(PMS)、生理がある女性の約6割が、症状がありながらも、何も対応していないとのことで、生理が来るたびに我慢をして過ごしていると考えられています。(出典:「働く女性の健康増進調査2018」特定非営利活動法人日本医療政策機構)
はっきり原因は分かっておりません。女性ホルモンを司っているのは視床下部で、ストレスがかかった時に自律神経を調整して、対応するのも脳の同じ部分です。ストレスがかかることで、女性ホルモンが乱れ、月経前症候群(PMS)などの症状が出ると考えられています。また、生理前は、幸せを感じるホルモン「セロトニン」や精神を安定させる「GABA」などの脳内物質が減ることもあり、精神的な不調が起きるとも考えられています。
実際に、仕事や人間関係のストレスが軽くなると月経前症候群(PMS)の症状が軽くなるという報告もあり、漢方での治療では、ストレスを和らげたり、栄養不良を改善したり、その人の体質に合わせたケアをすることにより、月経前症候群(PMS)の症状が和らいだという多くの報告が出ています。

月経前症候群(PMS)の一般的な治療

一般的な月経前症候群(PMS)の治療には、女性ホルモン剤を使います。女性ホルモンを補うことで、ホルモンバランスを安定させ、月経前症候群(PMS)を改善することができます。また生理前の精神不安に対して、抗不安薬や抗うつ薬などを処方されるケースもあります。
本当にしんどいと思う時には、薬を使って立て直し、普通の生活リズムに戻していくことも必要です。しかし、体を立て直すことができたら、薬を飲まなければならないほど、自分の体に負荷がかかり、内側のアンバランスが起きていることに目を向けて、リズムを整えていくことも大切です。

月経前症候群(PMS)の漢方治療

月経前症候群(PMS)の治療は漢方薬で一定の成果を上げています。薬による副作用が気になる方や、生活様式も合わせて見直したい方、ゆっくり話すことで気持ちの整理をしたいという方には漢方での治療がおすすめです。
漢方医学的に、大きく分けて「瘀血」「気滞」「気逆」「水毒」「血虚」などにより引き起こされると考えられています。どの体質に当てはまるのか、生理の状態や他の症状と合わせて詳しくみていく必要があります。

「瘀血」タイプ
血液循環が悪くなり、月経前症候群(PMS)が起こります。テレワークによる運動不足や冷え症の女性に多く見られます。生理前になるとぽっこりお腹が出る、便秘する、足先は冷たいのに上半身はのぼせている、などの症状が見られます。また、生理痛が激しい痛みで夜間にひどくなるのを特徴とします。血流を促す漢方薬を用いることがあります。普段からしっかりお風呂に浸かる、運動を心がけることも大切です。

「気滞」タイプ
ストレス・緊張が長引くことにより気の巡りが悪くなり、月経前症候群(PMS)が起こります。生理前になると、イライラする、人の意見に反発したくなる、胸が張る、下痢や便秘を繰り返す、などの症状が見られます。気の巡りを良くする処方を使うことがあります。几帳面で責任感がある人によく見られるのですが、「大体できればいい」「運を天に任せる」くらいの気持ちで、ゆったり構えていることも大切です。

「気逆」のタイプ
「気」の循環が乱れ、気が体の上部へ上がってしまっている状態です。動悸、呼吸が苦しくなる、眠れなくなる、不安感が強くなるなどの症状が見られ、月経前に限らずこの症状が起こることがあります。体の上部に上がった気を降ろす漢方薬を用いて治療することがあります。気を降ろすためにも普段から体を動かすことや、深呼吸などをすることも大切です。

「水毒」のタイプ
運動不足や冷たいものの取りすぎなどによって、「水」が滞り、「水」が過剰に溢れることにより頭痛やめまい、むくみなどの症状が見られます。湿度が高い季節や雨の時に症状が悪化することがあります。水を巡らせる「漢方薬を用いて治療することがあります。普段から、飲み物をオーダーする際に氷抜きにするなど冷たいものを取らないことも大切です。

「血虚」のタイプ
偏った食事やダイエットにより「血」が不足しているタイプです。生理前になるとわけもなく悲しくなる、涙もろくなる、日中は眠いのだけれども夜になると眠れない、などの症状が見られるのが特徴です。「血」を補う漢方薬を用いて処方することがあります。普段から、断食や食事制限など無理な食事療法をしないで、「血」となる肉や魚などのタンパク質をしっかり取ることも大切です。

月経前症候群(PMS)の時の心がけ

月経前症候群がきついと感じる時は、運動することが改善に効果があることがわかっています。運動習慣がない人も、なるべく階段を使うようにしたり、一駅分歩くよう心がけてみてください。また、月経前症候群がきついと感じる人は、日頃から几帳面だったり、責任感が強かったりする傾向があるため、7割を目指してゆったり過ごすことをお勧めします。

 

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