「生理痛は我慢するのが当たり前。休むことは大げさ。」
そんな風に思っていませんか?
漢方医学の世界では「生理痛はないのが当たり前」です。
生理中にお腹の張りや重苦しさを感じるくらいなら誰にでもあるかと思いますが、なかには、痛みがひどくて寝込んでしまったり仕事を休んだり日常生活に支障を来してしまう人もいます。
何事も当事者にならないとなかなかわからないことから、周りとギクシャクしてしまうこともあります。
「生理の問題」として括られてしまう一方で、これらの症状はストレスやホルモンバラスの乱れ、栄養不足など色々言われていますが、どれも当てはまるような気がするという人も多いでしょう。
生理痛などの生理トラブルは、漢方薬での治療で良くなるケースが比較的多いのです。生理痛の度に「痛み止め」を飲んで凌ぎ寝込むほど生理痛がひどかった20代女性、痛み止めを手放すことができた漢方症例をご紹介します。
症例 20代女性
主なお悩み 生理痛と生理前の気分の変調(PMS)
生理痛:9ヶ月前に、卵巣膿腫と診断された(5センチ 片方のみ)
高校生の時から激しい生理痛があり、生理期間中は必ず痛み止めを飲んでいる。痛みは痛み止めを飲めばおさまる。生理痛がひどい時はひたすら寝て痛みをしのいでいる。今回、母親が漢方薬に理解があり、漢方薬での治療を勧められて来店。生理痛の痛みレベルを伺うと5段階自己評価により、強さレベル4とのこと。生理周期28日、出血日数7日間 量は気になるほど多くない。月経血にレバーのような塊が混じっている。
また、生理前になると憂鬱になる。イライラしたり、落ち込むこともあり、周りとの関係がギクシャクすることもある。胸が張ることがある。その他、通常だと生理前、排卵前におりものの量が多くなることが多いのだが、この女性は生理前や排卵前に限らずおりものの量が多い。排卵痛はない。
その他症状
9ヶ月前、急に胃腸が痛くなり、病院に行きMRI検査をしたが、原因が分からなかった。お腹が弱く、天ぷらやハンバーグなど脂っこいものを食べると痛みが出る。ごはんを食べた後、眠くなりやすい。胃がムカムカして、食後に痛くなりやすい。人よりも食べる量は少ない。だるくて集中できない時があり、生理中特に感じる。貧血は指摘されるほどではない。普段寝つきは良くない。1時間に一回トイレに行く。排便:2、3日に一回で、生理の時だけゆるくなりやすい。汗が上半身にのみ出る。水を欲する。(冷たい水をちょこちょこ飲んでいる。)花粉症あり。鼻水が出る。
胸脇苦満 心下痞 舌淡 脈細弦
処方 血のめぐりが悪くなっている「瘀血症」とストレスによって気のめぐりが悪くなっている「肝気鬱結」と判断。血の巡りを良くする漢方薬と血の巡りを良くする漢方薬を処方
>>服用4週間後
生理痛が改善、動けないほどの痛みに悩まされることがなくなる。痛み止めを飲まなくてもよくなった。生理の血液に混じっていた塊がなくなる。PMS症状改善、気持ちに余裕が出てきた。落ち込んでも立ち直るのが早くなった。眠れない日もある。布団に入っても寝付くまでに時間がかかる。食欲は問題なくなり朝食を食べられるようになってきた。
辛い生理痛には痛み止めを飲んで痛みを抑えることも時として必要ですが、こちらはあくまで対症療法(症状を抑えるだけのもの)、抑えるだけの治療には将来を考えた時に限界があります。痛み止めが将来効かなくなってしまうこともあります。漢方医学では、体質に合わせた治療をしますが、体質によって引き起こされる根本原因から治療することができるのが特徴です。特に生理痛を抱えている場合は「瘀血」(血のめぐりが悪くなっている状態)のケースが多く見られ、生理痛を放っておくことで、将来婦人科疾患になってしまうケースも多くあります。
ストレスによって「気」の停滞が見られる者は、肋骨の下に指を入れると痛みを感じることがある。生理前の落ち込みやイラつきなどの症状の改善をするには「柴胡」の入った「気」のめぐりを良くする処方を考えていきます。周りで起きていることを否定的に捉えるよりも受け入れられる「キャパ」を広げた方が、時には楽なこともあります。気の巡りを良くする処方により、自律神経を整えることで、自分の周囲で起きているものごとに寛容になれることもあります。
辛い生理痛を原因から捉え、治療する漢方薬での治療をお勧めします。一人で我慢して悩んでいないでご相談ください。
代々木上原漢方相談 女性のための漢方薬店 日日漢方 更年期・PMS・生理痛など女性特有の体調不良、どこから手をつけていいかわからない頑張り屋の女性を内側からサポート。プライベート空間で初回ご相談じっくり、1時間。漢方薬だけでなくライフスタイルも提案します。
薬剤師 田村英子
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