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抜け毛と漢方薬

年齢による薄毛、髪が軽くなってきた、パサパサの髪質、年齢とは別に湿気でうねる、髪型がまとまらない、髪のボリュームが減ってきた、など髪質によりテンションが上がったり下がったりしますよね。また髪の毛によって見た目が大きく違ってくるものです。髪のうねりやまとまらないなどの悩みには、ストレートパーマをかける、スタイリング剤などによって、いくらでも対処できるのですが、薄くなる・髪のボリュームがなくなる、などの悩みはどのように解決していけばいいのでしょうか。

これには、実は漢方薬での治療がおすすめです。

中国最古の医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」には、女性は「7の倍数で歳をとる」などと書かれています。こちらは現代女性にも通じるもので、21歳になると女性の体は成熟する、42歳ころになると「容姿は衰え、憔悴(しょうすい)する」などと書かれています。身も蓋もないような話ですが、段々と容姿に変化が現れ、髪がだんだん軽くなり気になり始めるのも42歳頃ころからです。

髪の毛は何でできているの?

髪の毛は、80から85%が「ケラチン」というタンパク質からできています。

抜け毛の一般的な治療

皮膚科で保険適用で行える治療では「フロジン液」や「ステロイド剤」などが使われます。

抜け毛の原因

様々な原因によって引き起こされる抜け毛ですが、一体どのようなことが原因なのでしょうか。「髪にいいと言われていることを何でもやってみた。」けれども一向に良くならないという方、原因を知った上でケアする方法を考えていくことが大切です。

① 女性ホルモンの減少による抜け毛

見た目の若さ、肌・髪のはりを保つには「女性ホルモン」エストロゲンが関係しています。エストロゲンは、髪の毛の成長を促進するホルモンです。エストロゲンは、年齢と共に卵巣機能が衰えることにより減少します。それにより髪の毛が細くなったり、髪が抜けるなどの症状が見られるようになります。

こうした症状に対しては、いわゆる「補腎薬(ほじんやく)」と言われるものが有効で、卵巣周囲の血行を改善して、卵巣に栄養を行き渡らせるような漢方薬で治療することがあります。更年期になると髪の毛以外にも、気力や体力がなくなるため、スタミナをつけて気力や体力をキ維持するのに役立ちます。

②甲状腺機能低下症による抜け毛

日本人に多い甲状腺機能の低下による抜け毛。抜け毛以外の症状は、「太る」「疲れる」「冷える」などの症状です。これらの症状は、普段の生活でも見られますので、一時的なものとしてやり過ごしてしまうことが多いでしょう。症状がひどい人だとチラージンなどの甲状腺ホルモンを補充することが必要になります。

オーバーワークによって引き起こされることもあり、「人参」や「鹿の角」などの漢方薬を用いて治療していくことで正常な数値に戻ることがあります。また、甲状腺が腫れている場合には桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などの漢方薬や、冷えて下痢が止まらない・めまいがするなどの症状には真武湯(しんぶとう)などの漢方薬を用いることで症状が改善されることもあります。

③ 栄養失調による抜け毛

髪はたんぱく質でできていることから、栄養が足りていないことにより髪の毛が抜けることがあります。やせている現代女性には栄養不良の女性が多く見られます。髪が抜ける以外にも生理がこなかったり、生理中眠くて疲れる、情緒不安定になるなどの症状も同時に見られます。

たんぱく質とは、肉や魚などの動物性たんぱく質と豆腐や納豆など大豆などによる植物性たんぱく質に分かれます。現代女性の食事について伺っていると、たんぱく質が十分に取れていないことが多々あります。夜だけは肉や魚などをしっかり食べているけれども朝ごはんを抜いていたり、昼ごはんはパスタやパンなどの麺類ですませたりするケースも多くみられます。夜ごはんに肉や魚の入った味噌汁を作って、残りを朝飲むようにしたり、お味噌汁にたまごを落として食べたり、毎食意識して食べるように心がけ常にたんぱく質を食べるよう意識しましょう。
この場合、当帰(とうき)などが入った血を補う漢方薬で改善することができます。

④ ストレスによる抜け毛

ストレスによって髪が薄くなる、円形はげができる人もいます。ストレスにより交感神経が優位になると血管が収縮します。からだの中心部分から離れている手足先や頭皮にまで血液を送り届けることができなくなるため、ストレスにさらされている期間が長くなると髪の毛が抜けます。休みの日はしっかり休んでメリハリをつけるよう心がけてください。マッサージに行ったり、緑の多い公園などに出かけたりすると気分転換にもなります。

ストレスを抱えている女性に対しては、リラックスを助ける漢方薬が使われます。

⑤ 産後の抜け毛

産後はプラス10歳老けるなどと言われています。出産によって大量の「血」が失われること、授乳によっておかあさんは必要な栄養が足りなくなったり、自分の食事が後回しになったりしてしまうこともあるため、「血虚(けっきょ)」と言われる状態になります。「髪は血の余り」などと言われていますが血が不足することから抜け毛が目立つようになります。また、血が足りないことで精神的に不安定になり産後うつになる人もいます。産後はあれこれしようとせずに、おしいものを食べて赤ちゃんと楽しむくらいのゆったりした気持ちで過ごしましょう。
授乳の状況や、食事ができているか、睡眠状態、精神状態などを見ながら、「血」を補う漢方薬を中心に選んでいきます。

いずれにしても、自分の体調に合わせた漢方薬を飲む必要がありますので、漢方の専門家に相談しましょう。

最後に

加齢によって髪の毛は抜けやすくなりますが、それ以外でも生理があり「血」を失いやすい世代の女性たち、体調のトラブルは色々な形で現れます。髪の毛が充実しているということは、見た目の問題だけでなく中身の充実にもつながります。是非自分に合ったケアを見つけて、気持ち快適に過ごしましょう。
また悩まずに是非専門家のちからを借りて改善していきましょう。

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